台湾駐在回想録(台湾人の働き方編)

勤続年数

「終身雇用」「年功序列賃金」は日本では崩壊しつつありますが、台湾は元々そういった概念がありません。台湾の会社の平均寿命は数年(はっきりと何年かは忘れました)と言われていて、数十年続いている会社がとても少ないですし、また、長く勤めていても自動的に給与が上がったりしません。そのため、1つの会社に長く勤めている人は少なく、数年で条件の良い会社に転職する傾向があります。勤続5年であれば結構勤めているほうかなと思います。

 

転職

台湾人は何回も転職します。前述の「終身雇用」や「年功序列賃金」ではないことが転職の第一理由かと思います。会社に依存する考え方はなく、スキルアップのため、収入アップのために条件の良い会社があれば次々と転職していきます。また会社に入っても言われていた条件と違っていれば数日で辞めていく人もいます。

転職が多い時期は春節明けの2~3月です。春節前には忘年会があり、ボーナスが支給されるので、ボーナスをもらって春節明けに転職という人がとても多いです。私の経験でも春節明けに2名の部下から辞職願いを出されたことがあります。春節は1週間くらい休みがあり、皆さん田舎に帰って家族、親戚、友人といろいろと会話するので、その時に転職を決意する人も少なくないようです。台湾人は待遇や給与額などを躊躇いもなく他の人に話しますので。

日本では転職が多いことはあまり良いイメージではないですが、台湾ではそういうイメージはなく、むしろいろいろな経験をしている、ステップアップしていると捉えられていますので、人材はとても流動的です。ですので、日本のような人材を育てるという考え方はあまり意味をなさないので、教育に力をいれていない会社が多いと思います。教育して転職されるよりは、スキルのある人を雇い入れるほうが合理的ですから。

転職の面接の際はその部門長(営業でしたら営業部長)が直接面接を行い、職務と給与を決定します。その他の待遇もその時に決めます。会社の給与規定に沿って決める日本の会社とは異なる点です。そして面接の時に約束した条件で納得したら転職します。転職エージェント経由で面接してくる人は業界の給与相場を知った上で面接に来るので、結構高い条件を要求してきます。そして何社か面接した後、一番待遇の良い所に転職するようです。

 

通勤手段

台湾と言えばバイクが多く、バイク通勤している人もとても多いです。雨の日でもレインコートを着てバイクで会社に来ます。私の会社ではレインコートを干す場所が用意されていたくらいです。

バイク通勤が多い理由として、まず台湾の交通網があまり発達していないことがあります。台北市の中心はバスや地下鉄が多く走っていますが、少し郊外に出ると交通手段に困ることが多々あり、バイクはとても重宝します。また、会社からは通勤手当が出ないですし、台湾の交通機関は定期券がないため、少しでも費用を安く抑えようとすればバイク通勤が必然的に選択されるようです。それにバイクは渋滞とは無縁ですので時間が計りやすいですし。

 

通信手段

台湾でもスマホは仕事の通信手段で大活躍です。比率的にはAndroid端末が多い気がします。ただし、会社からスマホを支給ということはほとんどなく皆さん個人携帯を使っています。会社から補助もなく、それでいて名刺にも個人携帯の番号を載せています。個人情報はお構いなしです。

端末も通信費も自腹ですので、少しでも費用を安くしようとしているのか、LINEを使って仕事をするのが一般的になっています。ですので仕事の取引先とやりとりしているのか、友達とやりとりしているのかよくわからない状態です。多分両方なのでしょう。これについては指摘する人はいません。

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