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5.言語習得法
2018/10/21

5-1.学校教育
5-2.独学
5-3.留学
5-4.会話教室
5-5.検定試験
5-6.実は学習よりも練習が大事

5-1.学校教育



日本では英語は義務教育の必修科目なので、誰でも学校教育での学習経験があると思います。私の場合は、英語が中学・高校・大学で、フランス語が大学で学習していました。今は英語とフランス語をそれなりに話すことができますが、もし学校教育の学習だけだったとしたら多分話せるようにならなかったと思います。英語は駐在で台湾に来てから仕事で慣らしていきましたし、フランス語は大学時代の短期留学の際に現地で実践していきました。
学校教育は基本的にはグループレッスン形式で、会話練習はほとんどありませんし、読解中心の学習になりがちです。また、先生自身の外国語があまり上手ではない場合もあり、発音の習得が望めないこともあると思います。ただ、カリキュラムに沿って強制的に学習でき、定期的な試験もあり、自分の学習度合いをある程度把握できるため、どうやって勉強していいかわからない初級レベルの学習者には向いている方法だと思います。
初級レベルを卒業し、中級レベルになったら、別の勉強法を検討したほうが良いでしょう。
 

5-2.独学



独学といえば、書籍を購入して学習する、洋楽や海外ドラマをたくさん観る、といった方法で、多くの人が経験しているかと思います。自分のペースで進めることができますし、自由度が高い方法です。また、費用もそんなにかからないと思います。ただし、どの書籍を使うか、どういったペースで学習していくかなど、自分にあった勉強法をなかなか見つけれないという悩みもあります。習得スピードも比較的ゆるやか、即効性は低め、発音の習得はちょっと難しいと個人的には感じています。
私も韓国語やスペイン語などは独学のみで勉強しました。書籍、ドラマ、映画、旅行などを通じて、文化と言語を習得していきました。特に韓国語学習では韓流ドラマや映画を沢山観ました。「쉬리(シュリ。南北朝鮮問題を扱った、1999年公開のアクション&ラブロマンス韓国映画)」にいたっては何十回と観て、多くのセリフを暗記していたほどです。個人的には、初級の学習(文字、基本単語、基本文法など)は、独学でも十分かと思います。ただし、やはり発音の習得は独学では厳しいと思います。(幸いなことに韓国語やスペイン語は日本語の発音に近いものがあり、比較的簡単に習得できました。)
学校教育同様、中級レベル以上になると、別の学習法に切り替える、もしくは組み合わせるといったことが必要になってくると思います。
 

5-3.留学



留学は外国語習得方法の中で王様的な存在で、外国語を話せるようになりたいと思っている人が一度は考えたことがある方法だと思います。一般的には、時間とお金がある程度かかりますが、現地で言語と文化に直に触れて生活をしながら勉強することによって比較的早く話せるようになると考えられています。習得度合いは期間や個人の能力などによって異なりますが、だいたい3~6か月くらいで耳が慣れてきて、相手が言っていることがわかるようになり、1~2年でいわゆる「ペラペラ」の領域に突入していきます。時間に余裕がある比較的若い時期(10代後半から20代前半)に留学する人が多いです。
私は大学時代にフランスで短期留学を経験しています。期間は約7か月でしたので、ペラペラまではいきませんが、ある程度は話せるようになったと思います。留学して良かったことは、何といっても、その土地に住んで、文化を感じ、言語を習得できたことです。生活で実際に言語を使うのとそうでないのは習得度が全然違うと思います。特に発音は良くなりました。正しく発音しないと通じない(イコール生活できない)ですから。授業は直接教授法で行われていましたので、フランス語で考える癖がついてきて、段々と頭の中で日本語とフランス語の翻訳作業をしないようになりました。また、いろいろな国の人と一緒に授業を受け、会話をすることにより、フランスの文化だけでなく、他の国の文化にも触れて、国際的な感覚を養ったり、外から日本を観察したりなど、日本にいたらできないような経験ができたのも留学の良かった点です。あと、留学当初は言葉が通じないことが多く、いろいろと困難がありましたが、おかげで精神的にも鍛えられ、今となっては貴重な経験です。
留学すれば必ず話せるようになるとは限りませんが、時間とお金に都合がつく人は是非留学してみてはと思います。1つアドバイスとしては、学習経験ゼロの状態から留学しても費用対効果は低いですので、ある程度日本で勉強してから、ブラッシュアップのために留学することをおすすめします。基本文法や基本単語は日本でも習得できますし、留学は練習と実践の場と位置付けた方が効果が高いです。
 

5-4.会話教室



会話教室と言えば、「駅前留学」という言葉があるように、外国に行かなくてもネイティブの先生から外国語を教わることができる場所です。会話教室に通うことは留学の次に効果的に外国語を習得できる学習法だと思います。グループレッスンとマンツーマンレッスンの2つがあり、特に会話練習や発音矯正をしてもらいたい人には良い方法です。通うことにより、学習が習慣づきますし、グループレッスンの場合は他の生徒と一緒に学習するので切磋琢磨できます。ちょっとした留学気分も味わえます。ただし、効果の反面、結構お金がかかります。教室によりピンキリだとは思いますが、マンツーマンの場合、5千円~1万円/時間はかかるのではないでしょうか。また、家や職場から近い場所にないと通うのが大変です。先生に当たり外れもあります。
現在、私は中国語の会話教室(マンツーマン)に通っています。週1回1.5時間を約4年(東京で半年、台湾で3年半)ほど続けていて、累計レッスン時間は200時間を超えています。もともと自分は恥ずかしがり屋なのでマンツーマンレッスンには消極的でしたが、台湾駐在で中国語は必要ですので、勇気を出して会話教室の門をたたきました。結果的に通って良かったと思います。中国語は特に発音が重要なので、ネイティブに発音を矯正してもらえますし、「聞く」と「話す」の時間が多いので、音声面でインプット・アウトプットの練習ができます。かつ直接教授法の場合は中国語で中国語を教えてくれますので、説明を受けている間も中国語の聞き取り強化につながっています。ただ、気を付けたいのは、通っただけでは話せるようにはならないということです。教室以外での時間をどう過ごすかが重要になります。私の場合は、レッスン前に予習はしていませんが、毎回教室でのレッスンをボイスレコーダーに録音し、レッスンの後でその内容を聞きながら復習をしっかりと行い、中国語を定着させていきました。そして、不明な点については、次回のレッスンで質問をして理解を深めていきました。レッスンにかかった費用を計算すると累計50万円は超えていますが、現在、台湾にて仕事や私生活で中国語を何とか使いこなすことができていることを考えると、良い投資だったと思います。台湾に駐在している間は更なるブラッシュアップを目指して、継続して通うつもりです。
留学まではしないけど、ある程度お金に余裕があって、効果的に外国語を習得したい人は、会話教室に通ってみてはどうでしょうか。
 

5-5.検定試験



英検やTOEICに代表される外国語の検定試験は皆さんも受験経験があるのではないでしょうか。検定試験は自分の語学力がどのくらいあるのかを測る尺度になり、入社の選考基準や昇進の条件の1つになっている場合もあります。会社によっては合格者に手当てが出ることもあります。また、独学で勉強している人にとっては検定合格が1つのモチベーションになっている場合もあるでしょう。
私は英語検定、フランス語検定、中国語検定、ハングル能力検定、スペイン語検定、TOEICの受験経験があります。(何級に合格しているかは profile のページを参照願います。)受験の理由はいくつかありますが、自分のレベルを客観的に把握できること、勉強のモチベーションになること、などが挙げられます。検定試験対策をすることにより、単語力や聞き取りのレベルが上がったこともありますので、ある意味、対策の勉強が言語習得方法の1つになっていると思います。ただし、皆さんご存知だとは思います、検定に合格したからと言って、外国語を話せるようになる訳ではないです。会話能力とは関係ないことの方が多いと思います。そして、1度の合格が、その人の一生の語学力を保証するわけでもありません。費用対効果はあまりないかも知れません。
語学力の底上げを図るには、語学検定の勉強はある意味有効だと思いますが、話すようになりたいのであれば、他の方法と併用して学習してみてはどうでしょうか。
 

5-6.実は学習よりも練習が大事



机に向かってひたすら単語や文法を暗記したり、読解をしたり、そういった学習をずっと続けていても、知識はつきますが、一向に話せるようにはならないと思います。語学習得はスポーツや音楽と同じジャンルで、最初の内はルールを覚える必要があるけれど、一度ルールを覚えたら、後はひたすら練習あるのみです。サッカーの本を読んで、サッカーの試合をテレビで観戦したら、サッカーに詳しくはなりますが、サッカーが上手くなるようにはならないことと同じです。サッカーが上手くなりたければ、グラウンドでボールを蹴ったり、走ったりする必要があります。また、それを週に1回しても上達は望めず、毎日のように練習する必要があります。毎日練習したとしても、やめたとたんにすぐに退化してしまいます。私は今までいろいろな言語を練習してきましたが、練習をやめたとたんに退化してしまうことを身をもってわかっています。例えば、フランス語と韓国語は練習をやめてから久しく、確実に退化しています。ただし、退化した語学力も、再度練習すれば、それほど時間をかけずに元にもどせるのではと考えています。
日本人の多くは英語を上手く話せるようになりたいと思っていますが、上手く話せるようにならないのは練習量が少ないからだと思います。外国人と話す機会があるのなら、間違ってもいいので、たくさん話すべきです。皆さん、初期段階では学習が大事ですが、初級を卒業したら、練習を多くしていきましょう。特に話す練習を。練習相手がいなければ、独り言をいうのも良い練習だと思います。

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